風情のある日本庭園や茶室の生け花。いざ自らの手でやろうとすると、生け花の心得がなければならないとか、いろいろと身構えてしまいます。
「そんなに難しく考えなくていいと思いますよ。和の植物には和の器を合わせること。この“和の王道”をつらぬくことが基本です」
最近よく“和と洋のミックス”という言葉を耳にします。
「一歩まちがえると、それはミスマッチどころか、チープな印象になってしまう。和の美しさは、それを裏付ける長い歴史とスタイルによって完成しているので、生ける花と器はあまりいじらない方がいいんです。近くに置く小物などで、和風のものを合わせた方が失敗がないでしょう」
部屋に和花が飾ってあると、大人の雰囲気ですね。
「ただし花ばかりに固執してしまうと、部屋の中で浮いてしまって、借り物のようになってしまう。花はあくまでも脇役。主役は生活であり、自分自身です。もしも部屋に入ったとたんに花が目立つようなら、主役を花に食われてしまっているということ。部屋全体の空間をトータルにとらえて考えたいですね」
せっかく飾るのだから、いろいろ飾りたくなるのですが・・・。
「多く飾ればいいというものではありません。部屋の空間に対する植物の量をインテリアとしてアレンジできると、とてもセンス良くまとまると思いますよ」
盆栽しかり、和の植物には独特の空気感があります。
「 洋の花をアレンジすると“ゴージャス”“シック”など、花に対する感想が出てきますよね。でも生け花や盆栽は“凛とした”“すがすがしい” など、花の感想だけでなく、枝と枝の間に風景を見たり、風を感じたり、見る人が生きてきた中で得た経験や記憶、匂いなどを想像させる余裕があると思うんです。生け花は引き算だとか、そういった方法論ではなく、見る人に何かを感じさせるゆとりを作ってくれること。それが盆栽や苔玉など、和の植物の魅力だと思います」
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